12人の優しい日本人

2026/06/25

【日本映画】 塩見三省 相島一之 豊川悦司

ネタばれあり!!!


【あらすじ】 12名の一般の日本人が、陪審員として殺人事件の裁判に召喚される。裁判後に一室に隔離され評決を取ると、たちまち全員一致で『無罪』と決まった。所用もあり、一同はさっさと帰り支度を始める。しかし一人の陪審員が、「話し合おう」と皆を引き止めた。
 被告は若く美しい女性で、夫を殺した罪に問われている。どうやら陪審員たちが全員、被告に同情し、心象で『無罪』と決めた事が明らかになった。事件の経緯について、陪審員たちは改めて考察する。すると徐々に、『計画殺人による有罪』に傾く者が、増えて行った。映画『十二人の怒れる男』へのオマージュとして、「もし日本にも陪審制があったら?」という架空の設定で描かれる法廷劇・密室劇。(作品の詳細



おすすめに出てきたので観ました。癖の強い陪審員たちの噛み合わない会話や、脱線しまくりの審議が、とにかく面白い!有罪無罪の根拠や何気ない雑談から、陪審員の人柄や背景が垣間見えてくる。世の中、本当に様々な人がいて、考え方も千差万別です。
 

事件に関する新しい情報が小出し後出しされるので、推理や話し合いがやり直しになって、物語が二転三転し、そのたびに視聴者は振り回される。何度も繰り返されるので、大真面目に審議をやっているはずなのに、ふざけているのか?と思ってしまう。シンジャエール・シンジャエ~!(空耳アワーじゃないんだから)や、ダヨ~ンのおじさんの落書きは、ちょっと不真面目ですよぉ。 


12名の陪審員の中でも、とくにクセが強かったのが、2号(相島一之)。話し合いと有罪に拘るヘリクツ男で面倒くさいったら。最後まで有罪を主張したのは、妻とのトラブルを、女性被告人に投影しているからだと、11号(豊川悦司)に突っ込まれて、ぐうの音も出ない。
 


この11号、最初は存在感ゼロだったが(カラフルなシャツはインパクトあり)、自称弁護士と名乗り出てからの(実はしがない役者)、冷静で巧みな弁舌に皆圧倒される。ブレイク前のトヨエツ、独特のオーラを放っており、彼のスタイルがすでに出来上がっています。

それから喫茶店オーナーの3号(上田耕一)。みんながコーヒーやジュースを頼んでいるのに、彼だけ派手なフルーツパフェ。この状況で、今、それ食べる? 


1号(塩見三省)の言葉は、胸に突き刺さりました。
4年前に陪審員を務めた際、直感的に「こいつは怪しい、有罪だ」と判断し、他の陪審員たちも巻き込んで、有罪判決へと導いた。判決によって被告人は死刑となったが、その後全くの冤罪であることが判明した。

自分が1人の人間を死に追いやったという、凄まじい後悔と罪悪感から、彼は精神を病み、今回の裁判では「何があっても、どんな証拠があろうとも、もう二度と自分の手で有罪にはしない」と心に決めていたと。だから最初から最後まで、彼は無罪を貫きました。


ここでモーツァルトのピアノソナタ
音が出ます)が流れるとは、嬉しいサプライズで、特長をとらえた使い方が、とてもよかった。オープニングは軽快な第1楽章、議論が紛糾する中盤には、せわしないテンポの第3楽章、そして激しい議論の末、評決の一致に辿り着いた終盤は、美しく穏やかな第2楽章。

長い話し合いの末、全員が無罪評決で一致し、12名の陪審員は満足して帰途につく。例えが変だけど、台風一過の秋晴れのような、清々しい余韻が残る。いや、本当に清々しいのか?やっと終わってホッとした、が本音ですかね。 

長い話し合いと言えば、中学時代、学級会や道徳の時間や帰りの会が、ものすごく嫌でした。教師が職員室に早く戻ると、学年主任から嫌味でも言われるのか?話がまとまりそうになると、担任の教師が余計なことを言って、ワザと長引かせてたんだよね。帰りの会が2時間以上って、ホント、勘弁して欲しかった。

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