ネタバレあり!!!


【あらすじ】 中央新聞社社会部記者・須川康夫(田宮二郎)は、長崎県の大村密入国者収容所から脱走した、韓国学生・李起春(山本学)の事件を追って、大村へやってきた。責任者に会った須川は、脱走当日、警察庁外事課の鵜崎という警部が訪れたことを聞き、疑惑を深める。警察庁に鵜崎という警部はいない。謀略事件とにらんだ須川は、さらに追求を進めた。   
 その頃、山谷のドヤ街で、韓国外務大臣の訪日に際し、日韓会談反対のデモに参加する者に日当を払うというビラが、在日北朝鮮系組織の名を使ってまかれ、京都の朝鮮人少年に、韓国から徴兵通知が舞い込む。須川はこの出来事と李の事件は関係あるとにらんだ。
 後日、馴染のバーに、須川が紹介したホステス則山茂子(小川眞由美)を訪ねた須川は、偶然、小学生時代の友人井村(中谷一郎)に出会い、茂子が彼の愛人であることを知る。茂子の身体を犠牲にしてまで、東北アジア軍事同盟に関する情報と、左翼情報との交換を申し出る井村に、須川はスパイ特有の臭いをかぎとった。(作品の詳細


田宮二郎の1人祭り。北朝鮮へスパイを送り込もうとする諜報機関と、国内で暗躍するスパイ組織の動向を追う新聞記者。幼馴染みだった2人の確執を中心に、当時の世相を描く社会派サスペンス。
 1960~70年代のあの頃は、冷戦構造の深化と変容、社会運動の激化、経済システムの転換という、きわめて激動的かつ混乱に満ちた時代だった。アメリカはヴェトナム戦争、朴軍事政権下の韓国は、北朝鮮と敵対関係にあり、日本は南北朝鮮のスパイが入り乱れた状態。そんな中での日韓交渉。山本學扮する韓国からの密入国者が、入国管理局に検挙されたことから、話が始まる。



もうね、田宮二郎がダンディでカッコイイんです。新聞記者の役どころも板について、田宮らしい熱血漢あふれるキャラが、とても魅力的で感銘を受けました。友人の井村は、反政権デモを行った在日朝鮮人らをスパイにすることで、日本の巨悪を倒そうとする。しかしながら結局、井村はスパイ組織に人生を踊らされ、須川との友情も踏みにじられてしまうのだ。時代のうねりは、あまりにも大きく、そして非情だった。



小川真由美が醸し出す、近寄りがたいオーラの中にある、えも言われぬ色っぽさや、凛とした存在感よ。はじめは胡散臭くみえた東野英治郎ですが、最後まで人情味がありました。水戸黄門キャラの素地は、ここにあったのかしら。山本薩夫監督の作品に、甥っ子の山本学&山本圭兄弟が出演した、山本一族の作品です。

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