ネタばれあり!!!
【あらすじ】 世界がコロナウイルスのパンデミックに襲われた2020年、アイスランドでレストランを営むKristófer(Egill Ólafsson)は、初期の認知症と診断された。医師に「人生でやり残したこと」を問われた彼は、半世紀前の記憶を辿るために、学生時代に過ごしたロンドンへ向かった。
青年Kristófer(Palmi Kormákur)は大学で学ぶ意味を見失い、高橋(本木雅弘)が経営する日本料理店で働き始める。そこで働く高橋の娘・ミコ(Kōki/高齢期・奈良橋陽子)と、激しい恋に落ちるが、ある日突然、父親ともども姿を消してしまった。Kristóferは薄れゆく記憶と戦いながら、日本料理店で働いていたヒトミ(メグ・クボタ)への手紙を頼りに、日本に向かう。Ólafur Jóhann Ólafssonのベストセラーをもとに映画化。(作品の詳細)
友人に勧められて観ました。ロマンチックなラブストーリーだけではなく、原爆投下の被爆者への差別を描いており、若者たちの出会いを引き裂く偏見に、胸が締め付けられました。被爆者の高齢化が進むなか、被爆2世・3世が背負っていくものや、国が負うべき責任について考えさせられます。このテーマをアイルランド人の監督が取りあげたこと、自然な形で作品に仕上げたことに驚き、より強く心を揺り動かしました。
映像の美しさや吟味された内装、縦と横の線が揃ったアングルなどは、『センチメンタル・バリュー』を彷彿させます。料理店Nipponの料理は、空腹時に見てはいけないものばかりで、困りました。若いKristóferが用意した、伝統的な日本の朝食には、思わず「食べたい!」
現在のKristóferを演じたEgill Ólafssonが、申し分なく、実によかった。少し違った人生を歩んできた、豊かな人間性にあふれ、それが思いやりや、会話の端々のちょっとしたウィットに表れる。物腰静かで自分の世界を大切にしつつ、他人のそれも尊重する、そんな素敵なおじ様です。
日本料理店Nipponで働く本木雅弘をはじめ、Kōkiやメグ・クボタや田川達也らが、あうんの呼吸で楽しかったし、柴田理恵は気さくなおばちゃんでよかった。料理店入り口の「しいたけ」「たくあん」「緑茶」の表札には、苦笑しました。Kristófer青年の下宿先のおばちゃん役Ruth Sheenが、いかにも英国婦人で…笑
そして現在のミコを演じた奈良橋陽子さん、ここでお目にかかるとは。彼女が設立したモデル・ランゲージ・スタジオ(MLS)に、学生時代、先輩と見学に行ったことがありました。多才な方ですね。現在のミコを実にきめ細やかに演じており、そんな彼女とKristóferが、2人寄り添って夜道を散歩する姿は、まるで長年連れ添った熟年夫婦のようでした。
被爆の遺伝的影響は、医学的には確定していないそうですが、全くないという証拠もありません。しかし原爆のあの威力を身をもって体験した父にしてみれば、娘の将来、とりわけ妊娠することに対して、必要以上に過敏になるのは当然でしょう。だからと言って不妊手術というのは、短絡的で行き過ぎている。結果的にそこで、ミコの妊娠が発覚したから、不幸中の幸いと言えなくはないのですが。
年老いたKristóferがミコの手を握りながら、かつて彼女に教えたアイスランド民謡を口ずさむ。そこからエンドロールとともに、ピアノのスコアへと繋がっていく。50年以上の時を経たこの再会に、慈しみ深くとても温かいものを感じつつ、美しいピアノのメロディー(←音が出ます)が流れるなか、しばらくの間、しみじみと余韻に浸っていました。







未見ですが、身近なテーマです。
返信削除関東出身者が臨採で中学校に赴任した際に「8月9日(長崎原爆の日)が夏休み登校日で驚いた」と。当方では、普通のことなんです。
福山雅治が未婚の頃に「お母様が爆心地にいたそうだから、結婚しないのはそれでかな?」と医療関係者に言うと、地元の子は「私もそう思う」、中京出身者は「まさかあ」と。
stefanlilyさんへ
返信削除8月9日(長崎原爆の日)が夏休み登校日なのは
学校で原爆に関する行事があるのでしょうか。
福山雅治が未婚の頃に、そんな話があったんですね。
やはり地元民と離れた地域の人の答えは違いますね。