ネタばれあり!!!


【あらすじ】 トスカーナにある廃墟同然のGuelfi邸に、人との接触を避けて一人で暮らす、無愛想で気難しいAdrianoValerio Mastandrea)。隣の邸宅に若者たちがやってきて、周囲の荒れ果てたブドウ畑の手入れを始めたことで、彼の平穏な日々は一変する。
 苛立ちを覚えたAdrianoは、あの手この手で彼らを追い出そうとするが、やがて若者たち、特にMatildeGalatéa Bellugi)が気にかかり、彼女を観察するようになる。(作品の詳細

 


Valerio Mastandreaの1人祭り。タイトルに惹かれて観た。ほんの数秒の出来事(事故や過ち)が、人生を変えてしまう運命の残酷さと、過去の悲劇から逃れるように、孤独に生きる1人の男が、自らの罪悪感向き合って生きていこうとする姿を描いている。
 


人付き合いのないAdrianoが暮らす家、これがいわゆる汚屋敷でして…。自分の人生投げてるから、全てがどうでもいい。典型的なセルフネグレクトです。唯一の心の支えは、息子Matteoとのメッセージのやりとりだが、
これにしたって、男同士だからそっけないものだ。

この鬱々とした彼の屋敷に、GiulianaValeria Bruni Tdeschi)が登場すると、家の空気がパっと明るくなる。元弁護士だったAdrianoの同僚で、相手の事情などお構いなしに、ぐいぐい迫って来るマイペースなValeria Bruni Tdeschiが、例のごとく視聴者をクスっと笑わせ、いい雰囲気にしてくれる。Adrianoのことが心配で仕方がないからなんです。 


平和で静かだった暮らしが、隣に若者たちが越してきたことで一変する。中でもMatildeが良くも悪くも、Adrianoの暮らしに入ってこようとする。2人は似た者同士だから、対立することも多いが、やがて父と娘のような関係になる。
 


娘の死に対する罪悪感に苛まれていたAdrianoは、Matildeに亡き娘を投影しながら、彼女と交流することによって、父親としての役割や愛情を見出していきます。妊娠したMatildeが心配で心配で、口うるさく注意を促すなんて、今までの彼には考えられません。たとえ傷が癒えなくても、その傷を分かち合うことで、人は再び生きる希望を見出すことができる、そうあって欲しい。
 


若者たちが再生させようとする、荒れ果てた畑のブドウの木に、Adrianoの人生の再生を重ね、Matildeが宿す新しい命は、未来への希望の象徴であると、Paolo Virzì監督はインタビューに答えていました。

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