不毛地帯 1976年の映画

2026/08/04

【日本映画】 山形勲 仲代達矢 田宮二郎

ネタばれあり!!!


【あらすじ】 大本営の作戦立案参謀であった、旧大日本帝国陸軍中佐・壹岐正(仲代達矢)は、シベリア抑留から帰還後の昭和31年、社長の大門(山形勲)に見込まれて、総合商社の「近畿商事」に、異例の幹部候補として入社した。かつての陸軍参謀時代に培った緻密な情報収集力と戦略的思考を武器に、商社を牽引する辣腕を振るっていく。
 しかし、自衛隊の次期主力戦闘機選定を巡る、米国の航空機メーカー同士の熾烈な受注競争に巻き込まれる。航空機利権をめぐる政治家・官僚・商社間の、激しい駆け引きや黒い霧に直面し、企業間の激しい「商戦」に身を投じていくことになる。山崎豊子の同名小説をもとに、映画化。

 



まだまだ続く田宮二郎の1人祭り。より優れた戦闘機の選定を巡り、各商社・自衛隊・政財界が繰り広げる、策略や癒着や腐敗を背景に、壱岐と川又(
丹波哲郎)、2人の戦友の絆を描く。

因みに、昭和を代表する巨匠・山崎豊子の三大長編小説、『不毛地帯』『華麗なる一族』『白い巨塔』のいずれにも、田宮が出演している。 



壱岐正役の仲代達矢は、近畿商事を勝利に導くために、不正な行為に次々と手を染め、組織を守るためには、部下も見殺しにする非情さを見せつける。彼は頭が良すぎた。そしてあまりにも人間を軽視し過ぎた。
 

山形勲の圧倒的な存在感は、『華麗なる一族』で阪神銀行の頭取を演じた、佐分利信に勝るとも劣らない。 


自死を決意した丹波哲郎が、仲代達矢と最後に旧交を温め、車両内で敬礼して別れる場面は、否応なく彼の死を予感させ、涙・涙・涙()


ライバル東京商事の田宮二郎が、『イエロー・ドッグ』に続いて今回も、流暢な英語を披露する。やっぱりサマになっててカッコいいなぁ、
 



本作でも貝塚官房長官を演じた小沢栄太郎の、狡猾で憎々しい演技が際立っていた。丹波哲郎でなくとも、「このヤローッ」と胸ぐらつかみたくなります。経済企画庁長官役の大滝秀治は、のらりくらり、日和見主義の狸オヤジですな。
 



中途半端な終わり方だったので、変だなと思ったら、諸般の事情で後編が制作されなかったとのこと。原作の後編には、自動車や石油産業への介入、近畿商事を勇退した壹岐が選んだ、第3の人生が描かれているそうで、観たかったなぁ。

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