ネタばれあり!!!


【あらすじ】 ギターを担いで流しをする鴨井大介(田宮二郎)の、アパートの隣人で、白タクドライバーの山本五郎(小沢昭一)が、現金を強奪し、殺人の疑いをかけられた。妻の玉子(坂本スミ子)は臨月で、間もなく赤ん坊が生まれる予定である。
 五郎の無実を信じる鴨井は、真犯人を追う過程で、クラブ「ハバナ」と新興宗教団体が、麻薬で繋がっていることをつきとめた。ショボクレ刑事の木村(天地茂)や、警察の追跡をかわしながら、鴨井は事件の真相に迫っていく。(作品の詳細

 


田宮二郎の1人祭り。犬シリーズ第8作。舞台は珍しく、大阪から東京へ。あの緑の電車は、山手線で正解だったのね。田宮のウルトラC 級・銃さばきが、目にも鮮やか!今回も炸裂します。ガンアクションは相変わらず軽快で、マカロニ・ウエスタン風の粋な佇まいが、最高にカッコイイ。何度も言ってるけれど、見れば見るほど仕草や首の動きが、竹内涼真に似てるなぁ。
 



田宮のギター流しや、『青い犬のブルース』(←音が出ます)を歌う姿が板について、演技・歌・アクションと、何をやっても上手いんですよねぇ。若者たちのビートに合わせて、エレキギターを演奏するシーンは、どこかのグループサウンズのギタリストみたい。ミニスカートにブーツで、ゴーゴーダンスを踊る女性たちに、当時の若者風俗がうかがえる。
 


脇役に懐かしい俳優が揃った中で、財津一郎の役どころが異色で、目を惹いて面白おかしい。演歌歌手のようなキンキラの着物姿に、オネエ・キャラでちょくちょく登場するも、最後に見せる意外なオチに、鴨井も視聴者もビックリよ。「ヒジョーに、サビシィ〜」「〜してチョーダイッ」の決めセリフは、お約束の展開です。
 


因みに、財津が出ているピアノのCM(音)は、強烈なインパクトと中毒性がある。かつて坂本龍一が、20時間にも及ぶ全身麻酔の手術後の療養中、1週間ほど続いたせん妄状態の中で、最もつらかったことの1つとして挙げたのがこのCMで、「みんな、まあるく、タケモトピアノ~♪」のフレーズが鳴り止まず、頭から離れなくなって、非常に苦しんだことを明かしている。そんなエピソードまで残した財津さん、2023年に逝去されたのですね。合掌。
 


オープニングには、マカロニ・ウェスタンの影響を受けたラテン・フラメンコ風の音楽(音が出ます)が効果的に使われている。『運命』(音)や、『未完成交響曲』(音)の選曲が、このドラマにミスマッチで、
視覚と聴覚と感情のバランスが妙な感じになる。←褒めてます。



天知茂と田宮の絡みが、予想以上によかった。2人のやり取りは、もはや長年連れ添った夫婦で、憎まれ口を叩きながらも、認め合っている関係がじんわり伝わり、面映ゆく微笑ましい。敵を1人も殺さないのも、ドラマに影を落とさなくて良いですね。「鴨井、達者でな」と一言残し、木村は静かに去っていく。その言葉を背中で聞く鴨井。しんみりしました。

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