ショート・ラブストーリー (Breve storia d'amore)

2026/04/14

【イタリア映画】 Adriano Giannini Pilar Fogliati Valeria Golini

ネタばれあり!!!




【あらすじ】 「愛についての役に立たない本」を書いたジャーナリストLeaPilar Fogliati)と彼女のパートナーで俳優のAndreaAndrea Carpenzano)、地震学者RoccoAdria Giannini)と精神科医の妻CeciliaValeria Golini)。
 1人娘がいる30代と子どものいない50代の2組のカップルの運命は、LeaがバールでRoccoと出会い、密かに関係を持ち、ホテルの一室で結ばれた夜を境に交錯し始める。
 ごくありふれた浮気に見えた関係は、やがてLeaRoccoの生活に入り込み、互いのパートナーも巻き込みながら、事態は思わぬ方向へ展開していく。(作品の詳細 



Ludovica Rampoldiの監督デビュー作品。『イル・ナターレ: クリスマスなんて大嫌い』でコミカルな演技を見せたPilar Fogliatiが、今回もキーパーソンとして活躍しています。遊び心のある台詞や仕草など、コミカルな要素は控え目で、心理的で静かな描写が多く、かといって内省的でもなく、やや中途半端だったかなぁ。

オープニングのシーンに出てきたチェスボクシングは、初めて知ったストレス発散スポーツですが、なかなかしんどそうで、ストレス発散できるのかしらん?


Gogò Bianchi
の卓越した撮影によって、2人が出会うバールや、Roccoのアパートメントの螺旋階段や調度品が、どれもこれも素晴らしく、Leaのポーセリンのような透明感のある白い肌は、この世のものとは思えない美しさで、純白のシーツの中で眩しく輝いている。

死んだ金魚やアリの巣は、衝撃的・象徴的でした。このアリの水槽が、最後にとどめを刺すのですが、あんなのが何万匹もうじゃうじゃ床を歩いていたら、否、リビングにアリの水槽があるってだけで、発狂する~」゚Д゚)」/ウォアアア!! 



不倫が発覚したあとの2組のカップルの、それぞれがとった行動には、決定的な違いがありました。Lea Andreaとの信頼関係を壊してしまった。そんなLeaと一緒に暮らせないAndreaは去っていくが、完全な絶縁ではなく、機会があれば顔を合わせる関係だ。
 


19年連れ添ってきたRoccoCecilia夫婦は、この先も冷え切った仮面夫婦を演じ続けていく。愛し合っているからではなく、築いてきたものを手放したり壊すのが怖いから。離婚の手続きは面倒で疲弊する、少々のことには目を瞑っていれば、この生活もそれほど悪くないし、今さら離婚して人生やり直す?ないない。

惰性で何とか生きていくわ。今まさに問題になっている、ブルジョワ夫婦の危機、これをどう乗り越えていくか?なんですね。 


少なくともRoccoは、過去の過ちや欺瞞から、完全に逃げ出したりはしていないようです。地震とチェスボクシングの知識を融合させた、彼なりの想定外な事態への向き合い方を、次世代の子どもたちに託していくことによって(ナポリ湾での講習)、夫婦関係が崩壊したあとの新しい日常の一歩を、踏み出しているから。

 ラストシーンに流れる Nata sotto il segno dei pesci(←音が出ます)、「君は僕に何が欲しいの?と言ったね。僕には家がある。女性も家族もいる。それらが困った状況から救ってくれる。だけど僕が望むのは、ただ愛だけ。愛と繋がりなんだ」と歌っている。 

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