リトルハンプトンの怪文書 (Wicked Little Letters)

2026/04/07

【欧米映画】 Anjana Vasan Olivia Colman

ネタばれあり!!!


【あらすじ】 1920年頃、イギリスの小さな町リトルハンプトンで、専横的な父親に支配された敬虔な独身女性Edith SwanOlivia Colman)は、匿名の卑猥な手紙を次々と受け取る。父親
Timothy Spallはすぐに、ガラの悪い隣人Rose GoodingJessie Buckley)を、犯人だと決めつける。
 当時としてRose、非常に奔放な性格の若いアイルランド人女性だった。Edithの父親は、法的措置を取るよう娘に迫る。匿名の手紙は全国的な騒動を引き起こし、裁判が始まった。
 しかしGladys Moss巡査(Anjana Vasan)率いる町の女性たちが、独自に事件の捜査を始めると、おかしなことが出てきて、Roseは犯人ではないかもしれないと思い始める。(作品の詳細


実際にあった1923年のリトルハンプトン毒ペン事件をもとにした、ブラックユーモアたっぷりの英国らしい作品。笑いに満ちた匿名の手紙騒動が、予想外の真実を明るみに出していく。1920年代の英国の封建的な家父長制と宗教的な環境下で、日々の行動が厳しく統制されていた女性が、それぞれの立場からそれぞれの方法で声を上げていくという、意外な展開でした。
 


執拗に送られていた卑猥な手紙。その犯人が実はEdith本人で、自作自演だった。どうしてそんなことを?と言う前にまず、男性は汚い言葉を使っても許されるのに、女性はお咎めを受けるって、何なの?

Olivia Colmanが期待を裏切らない巧みな演技で、Edithが心の底に抱えている長年の怒りや鬱憤や深く傷ついた心や、Roseへの羨望を、心憎いまでに表現してくれるんです。厳格で「まともな女性」だが、いたずらっぽくてイケズでかまってちゃんという、癖のある役どころを、Olivia Colmanがいかにも楽しそうに演じていて、微笑ましくなりました。 



隣人同士のEdithRoseも以前は仲良しで、温かい友情を育んでいました。それがあることで、壊れてしまった。それ以来、Edithは自由奔放に生きるRoseに嫉妬しつつも、かつての友情を取り戻したい思いと、専制君主的な父親の間で、身動きが取れない。そこで思いついたのが、この手紙というわけ。
 


Gladys Moss巡査も、優れた直観と観察力を持ちながら、男性優位のブロカルチャーな警察組織にうんざりしながらも、町の女性たちと力を合わせて、自力で事件の真相に辿り着く。愉快・痛快・爽快じゃありませんか!くるくるした愛くるしい目がチャームポイントの、本作の魅力を語る上で欠かせないキャラクターです。
 

Edithの父親、性差別をする警察署長や無知で傲慢なPapperwick巡査(Hugh Skinner)、治安判事など、登場する男性が揃いも揃って、男性優位社会にふんぞり返る、阿呆で融通が効かない奴らばかり。実は女性の手のひらで転がされていることに、全く気づいていない裸の王様なんですよ。

 英国の暗い過去に触れながら、ベテラン俳優によって、ユーモラスで遊び心に富んだ、軽妙なエンタメに仕上がっている。とっても気軽に楽しめる作品です。

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